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不思議の庭のミランダ

心に響いた言葉と書物の備忘録

しまいこんである驚異-『ほんものの魔法使』ポール・ギャリコ

文芸

 

 アダムは長い指で、彼女の額にそっとふれた。
「何もかもこの中につまっているんだよ、ジェイン。まるで仕切りのたくさんある箱みたいにね。きみの欲しいもの望むものは、何でもこの中からとりだせる。あらゆる魔法中の魔法が納まっているんだ。これが、きみを過去へも運んでくれれば、未来をも夢見させてくれる。病気のときでもたのしくさせてくれるし、いやなこともよくしてくれる。人間のいままで成しとげたことは、すべてこの奇蹟の箱から生まれたものだ。これさえ上手に使いこなせば、きみは、いままで誰にも思いつかなかったことや成しとげられなかったことをやってのけられる。星へ行く道だって見つけられる」

 

 

 

「魔術師になるのにだって役立つかしら」ジェインは世知辛かった。「兄さんのピーターより、いいえ、パパよりかりっぱな魔術師になりたいのよ」
「もちろん」
「どうすれば?」
「この中には、まさにそういうときに役立つ、“できる”って仕切りと“やってみせる”って仕切りがあるんだ。その鍵をあけるこつさえ学べば、強力な魔法がきみを助けてくれて、山をも動かすにいたるだろう」
「でもパパは、だめだっていっててよ。あたしは馬鹿だからって。それにしょっちゅう物を取落すんですもの」
「それはつまり、きみが、この中に蔵い(しまい)こんである驚異をいままでひとつも利用しなかったからじゃないか」いいながらアダムはジェインの額をもう一度やさしくたたいた。「きみだけがその鍵をにぎってるんだ」
 ジェインは小声でいってみた。「あたしは、できるし、やってみせる」

  『ほんものの魔法使』 ポール・ギャリコ

 

ほんものの魔法使 (ちくま文庫)

ほんものの魔法使 (ちくま文庫)

 

 


面白くて優れたお話をたくさん書いたポール・ギャリコの一冊。

世界中の魔術師が集まる町に、

ある日、犬を連れてやってきた“ただのアダム”

彼が披露するマジックのネタがわからない、まさか彼は・・?

ほんものの魔法とは何か。

芸術と自然…

何をもって奇蹟というのか

微妙なところだが

 

何より自分自身の中にある可能性を

自らの手で引き出すには…

とりあえず

あたしは、できるし、やってみせる

と唱えてみよう…か

 

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