不思議の庭のミランダ

心に響いた言葉と書物の備忘録

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』佐藤航陽さん-資本主義から「価値主義」へ

 

 

 

昨秋、出版されて評判となったお金や経済についての一冊がこちら。  

 

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)

 

 

今年の春先に図書館で読もうと思い

予約したら、15人待ちとかで

手元に来たのが、半年以上たった

今月に入ってでした(笑)

人気のようですが、

確かに読みやすく、わかりやすかったです。

 

内容は、今の時代の流れについて既に気づいている方なら

決して衝撃的というものではありませんが、

30代の著者は、株式会社メタップスのCEOである佐藤航陽さん。

現在大きく変化し、新たに移行している経済の仕組みと

これからの生き方について明らかにしてくれます。

 

さて、「Fintech(フィンテック)」という言葉がありますが、

これは、financeとtechnologyを組み合わせた造語だそうで

ITなどのテクノロジーの進化により、金融世界が破壊的に変化する

トレンドを指しているといいます。

ただ、著者はこれらに付随する様々な現象を二つに区別して、

Fintech1.0とFintech2.0に分け、後者、“2・0は

1・0とは全く異なり、近代に作られた金融の枠組み自体を無視して、

全くのゼロベースから再構築するタイプのものです。” から

本のタイトル「お金2・0」としています。

ビットコインなどがこの典型にあたるそうです。

 

第1章 お金の正体

第2章 テクノロジーが変えるお金のカタチ

第3章 価値主義とは何か?

第4章 「お金」から解放される生き方

第5章 加速する人類の進化

 

個人的には、こうした急激な変化の中での

これからの生き方についての示唆が興味深かったです。

 

「世界を変える」とは、前時代に塗り固められた社会の共同幻想を壊して、そこに新しい幻想を上書きする行為に他なりません。

 

 国家、通貨、宗教、偏差値、学歴、経歴、年収、資産、論理、権利など、私たちの精神や行動を縛る概念のほぼ全てが人工的に作られた幻想ですが、これらの効力が薄れ、時にはまた別の幻想が誕生し、人々の新たな価値判断の基準になっていきます。

 

 

 

 現在、先進国ではものもサービスも飽和状態にあり、商品を売るだけでは人々を惹きつけることができなくなりつつあります。

 物を持たないで生きる「ミニマリスト」が多くなっているのを見てもわかる通り、ものの魅力はどんどん下がっていっています。多くの人が娯楽や体験を通した精神的な満足に対して魅力を感じるようになってくると、ゲーミフィケ―ションや脳の報酬系への理解が経済活動にますます求められる時代になっていくでしょう。

 

戦後から高度成長時代にかけての生き方のモチベーションや価値観と

モノが飽和状態にある現在のモチベーションや価値観は全く違います。

世代によって、常識というものの認識も変わります。

著者によれば、資本主義から「価値主義」へと移っているということです。

 

 ネットが十分に普及した世界では、「どれが一番正しいのか?」という考え方ではなく「どれも正しい、人によって正解は違う」という考え方が徐々に受け入れられても良いはずです。1つに統一しなければいけないというのは、レイヤー化された世界が技術的にありえなかった過去の時代の考えです。

 

 つまり、私たちがどんな職業につき、誰と結婚して、どんな宗教を信じ、どんな政治思想を持つのも個人の自由であるのと同様に、何に価値を感じて、どんな資産を蓄え、どんな経済システムの中で生きていくのかも自分で選んで自分で決められるようになっていく。私たちはその過程にあります。

 そこでは優劣を決めようとしたり自分の基準を他人に押し付ける必要は全くなく、ただ個人が自分に最も適した経済を選んでいくという「選択」があるだけです。 

 

実は私たちが持っている常識は世代によって全然違います。そして今の日本の常識と呼ばれているものは、日本の人口分布でボリュームゾーンでもある45歳前後の人が持っている概念を指しています。

 

 例えば、先ほどの価値と言う観点からすると30歳前後の世代は、すでに車や家や時計などのものに対して高いお金を払うという感覚がわからなくなりつつあります。ものは所有しなくても使う時だけ借りられます。つまり私たち世代にとってこれらの価値は低いのです。

 一方で、50歳前後の方からすれば、スマホゲームに課金したり、ライブ配信に「投げ銭」を払ったり、ビットコインを買っている人たちの感覚はよくわからないと思います。全く「役に立たない」無価値なものにお金を払っている若者の未来を憂うかもしれません。   

 

世の中は、「儲かること」から「情熱を傾けられること」へ

変わっているわけです。

 

 内面的な価値が経済を動かすようになると、そこでの成功ルールはこれまでとは全く違うものになり得ます。金銭的なリターンを第一に考えるほど儲からなくなり、何かに熱中している人ほど結果的に利益を得られるようになります。つまり、これまでとは真逆のことが起こります。 

 従来は、経済的な利益を得ることを最優先し、個人の利益を最大化するように動くことが成功のための近道でした。ただ、内面的な価値を軸に考えた場合は、因果関係が逆転します。自分が心から熱中していることに打ち込んでいると、結果として利益が得られる。逆に利益を最優先に行動すると利益を得るのは難しいということが起きます。 

 

好きなことをやれ

持っている熱量が人に伝わることが大事など

要は、時代の寵児ともいえる人たち、

例えば、堀江貴文さんなどが提唱している生き方、

これまでの価値観からのシフトと

まさに一致していますね。

 

 では、熱中できることってどうやったら見つかるの? と疑問の感じる人がいるかもしれません。まずはあなたが一日中やっていても苦痛ではないことを探すのがいいでしょう。もしくは他人から異常に詳しいと言われたり、なぜそんなことをそんなに気にするのと言われることを思い浮かべてみると、そこに情熱のヒントがあります。

 

 おそらく、何かに熱中した経験というのは誰でも子供の時にしていると思います。ただ、小中学校の教育を受け、やりたいことではなく、やらなければならないことを続けていくうちに、自分が何に興味を持って何に熱中していたのか、情熱の源泉を忘れてしまうのだと私は思います。

 

 あくまで重要なのは自分自身と向きあった上で、自分の情熱を発見し、自らの価値を大事に育てていくことだと私は思っています。 

 

さて、長くなりましたが、なるほどと

思った点をもう一つ。

 

お金がうまく扱えず困っている人ほど、お金に特別な感情を抱いていることが多いです。私もそうでした。それがないことによって起きる困窮や不安から、お金に感情をくっつけてしまい、道具以上の意味を感じてしまいがちです。お金や経済を扱うためには、お金と感情を切り離して1つの「現象」として見つめ直すことが近道です。

 

 

 

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