星空に魅入られ、天文に興味を持ったり、
宇宙の神秘に思いを馳せる人は
多いのではないでしょうか。
世界的なコメットハンター(彗星捜索家)として知られ、
また臨死体験者としても
様々な気づきを得た木内鶴彦さん。
その不思議な出来事や、宇宙や星について語り、
また地球環境、発明、そして宇宙的な観点からの
人生や生き方まで触れられている良書。
幼い頃、やんちゃ坊主だった著者は
叱られると裏の田んぼに行って土手でふて寝をしては
空を見上げていたという。ある日、眠り込んで
気づくと夕焼けから夜空へと移り変わる美しい光景から
瞬き出したばかりの宵の明星、金星に目を奪われる。
6歳のこの時から、夜空を見上げる天文少年へ。
やがて彗星捜索家としての道を歩んでいく。
航空自衛隊に入隊中に、生死を彷徨う病気となり
退官して長野県で天体観測を続けているという。
臨死体験、彗星探索、環境浄化……。これらは、まったくかけ離れた事柄のように思われるかもしれません。しかし、私にとっては、これらのことはすべて一つのポイントで密接に結びついているのです。
そのポイントとは、宇宙の視点から自分たちを眺めてみる、ということです。
22歳の時の臨死体験で接した不思議な感覚と世界は
他の本にもまとめられ、話題となったそうだ。
最初は何が起きたかわからず戸惑いながらも
肉体を離れ、意識だけとなると、
意志一つで瞬時に時空移動できることに気づき、
好奇心にかられて、不思議な世界を垣間見たという。
臨死体験の中で、私は宇宙の始まりも見てきました。言葉でいうのは難しいのですが、それは「膨大な意識」といったものでした。「膨大な意識」はすべてを知っていますが、それだけではとても退屈な世界です。そこで、一つの「ひずみ」をつくり出します。「ひずみ」は元に戻ろうとして動きをつくります。そのひずみが解消に向かうときのエネルギーの流れこそが、私たちが生きているこの三次元の世界だったのです。
私が意識だけの存在になってから感じていたものに、「私」という個の意識を取り込む膨大な意識の存在というものがありました。私がその存在に気づいたのは、時空を移動できるようになって間もなくのことです。
それは、すべてが自分であるという何とも不思議な感覚でした。その感覚にどっぷりと浸ってしまうと、自分という個が見えなくなっていってしまいます。ですから私は、「意識」としてさまざまな世界を旅している間中、膨大な意識の中から「木内鶴彦」という個の意識をたどり、それをしっかりと保つように努力しなければなりませんでした。
いずれにしても
とても興味深いテーマが真摯に語られていきます。
以下の目次をご覧になると
内容の一端がわかるかもしれませんね。
プロローグ
彗星発見のヒントとなったのは魚釣り
星の下で始まった顔の見えない交流会
手作り望遠鏡をのぞいて知った別世界
突然襲った病魔、死の淵で考えたこと
昏睡状態の中で見た不思議な世界
過去と未来、宇宙の始まりまでを見てきた
臨死体験はどこまでが真実だったのか
太古の地球がこれからの地球のモデルになる
彗星衝突の回避を世界に向けて訴える
夜空の「明るさ」が人類を破滅に追い込む
今、私が取り組んでいる二つの技術
医師たちが興味をもった「太古の水」の効果
いいことずくめのゴミ処理システム構想
謙虚な気持ちをもてば熊とも仲よくなれる
バランスをとることがすべての基本
自然のルールに沿ったボランティア活動とは
生きがいと才能を引き出すシステムが必要
エピローグ
あとがき
一貫しているのは、
宇宙的な視点から物事を見ていこうということです。
星や宇宙に思いを馳せることは、自分たちの住む地球という環境を見ることにつながります。自分たちが立っている足元を見つめ直したとき、その答えはおのずと導き出されるでしょう。そしてそれは、地球上の生命を幸せな未来へと導く一歩となるはずです。
地球上の生物は、何一つをとっても単独で生存しうるものはありません。すべての命はつながっているのです。一つの生命は他の生命によって生かされる存在であると同時に、他の生命を生かすための存在でもあるのです。
命というのは、循環です。一つの命が滅びても、生み出された新たな命が生をつないでいきます。自然界でも、動物の死した体は食物連鎖の中で別の命の栄養源となり、さらに大きな命の循環を支えていきます。この命の循環はどこかで度を越した余分や不足が出ると、崩れてしまいます。循環は限られたバランスの中でしか維持することができないからです。これが膨大な意識がつくり上げた、このゲームのルールなのです。
しかし、人間だけが地球上でのバランスを崩してしまっています。それは、命の循環よりもお金儲けや自分たちの欲望を優先してしまうからです。
そしてまた、本書では、
地球に住む私たちの在り方とともに、それぞれが
人生をどう生きていくかの示唆に富んでいるのも
特徴といえましょう。
人生最大の喜びは、地位でも名誉でもお金でもなく、精神的な充実感を味わうことです。そしてその充実感は、自分の能力を一◯◯パーセント引き出したときに初めて得られるものなのです。
誰もが、その人でなければできない役目というものをもっています。それはいい換えれば、その人にしか備わっていない能力があるということです。
自分の能力を生かすことは、生きる喜びそのものです。そして、自分を生かすことが、結果として命の循環を守ることにつながっているのです。
自分の能力が何なのか、まだわからない人もたくさんいると思います。でも、心配することも焦ることもありません。やりたいと感じたことをいろいろと試しているうちに、人は必ずそれにめぐり合うことができるようになっています。
人はいつ自分の能力に目覚めるかわかりません。でもその出合いは、必ず訪れます。大切なのは、もうこんな年だからとか、そんなことをしてもお金にならないからと、自分の気持ちをごまかさないことです。やってみたいと思えることに出合ったら、勇気をもって一歩踏み出してみてください。そこからあなたの人生は大きく変わっていくことでしょう。
誰かが行動してくれるのを待つのではなく、一人ひとりが自分で考え、努力して行動しなければ、地球環境を守ることはできません。
そして、大切なのは、自分を信じること。
宇宙を知るということは、突き詰めていくと自分を知ることだと私は感じています。
視野をどんどん広げていき、宇宙の果てまで行ったときにそこに存在しているのは、結局は自分自身でもある膨大な意識そのものだからです。
私は自分たちが生きているこの星こそ、究極のバーチャル世界なのではないかと思うことがあります。
果てしない宇宙を包含しているのは、自分の意識の本体ともいうべき膨大な意識です。その中で生まれた三次元という世界で、私たちは持てる才能を駆使し自然環境を守るというゲームを行っているのです。
人間というのはおもしろいもので、まったく同じ作業であっても、考え方が変わるとそれまでつらかったことも喜びに感じられるようになります。
エンドレスに努力を続けるということは、決して空しいことではありません。自然界に同じ出来事というのは二度と存在しないからです。
あとがきによれば、
この本は最初2003年に書かれたようですが
ロングセラーとなって、2015年に文庫されています。
実に興味深い体験談も面白く、読み応えあります。
私たちがそれぞれを活かして
地球人、ひいては宇宙の一員として
より大きな視点で生きることが求められていく
統合の新時代に、是非手にとってほしいと
感じた一冊です。
それぞれが自分自身の本質へと"目覚めて"いく時代です☆
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