ふっと
どこから開いても
読みやすく
ちょっと気が楽になるような一冊です。
著者は、東京大学附属病院の救急医療で
長年ご活躍された矢作直樹先生。
人間の生死と向きあう医療現場にいらして、
肉体だけではない霊的存在としての人間と人生についての
著書をいくつも書かれてきました。
近年は、日常的な過ごし方にも多く触れられ、
健やかに生きるためのメッセージを
わかりやすく伝えてくれます。
見開きの文字には
“最近、ゆっくり 休めていますか。”とあり、
ストレスの多い現代社会で、よく目にするようになったのが
癒しとストレス解消のための「マインドフルネス」という言葉。
マインドフルネスと聞くと、「瞑想」を思い浮かべる方も多いのでしょうか。
——
しかし本来マインドフルネスとは、何かの行為を指すのではなく「今この瞬間」に気づいている状態を言います。
歩いているとき、家事をしているとき、どんなときでも、日常生活の動作ひとつひとつに心を込めて、今に意識を集中させる、それこそがマインドフルネスの状態であり、心とからだがリラックスできている状態なのです。
神道に「中今」という言葉があります。
今を生き切ることこそ大切という意味を持つ言葉ですが、マインドフルネスは中今そのものであり、私たちは古来、マインドフルネスを知っているのです。
今、マインドフルネスという言葉が少なからずブームとなっているのは、日本人が当たり前に知っていた感覚を、「取り戻す」時期に来ているからではないかと感じます。マインドフルネスとは新しいことでも何でもなく、「本来の自分を取り戻す」ということなのです。
慌ただしい生活の中では
自分を抑制し、本当の自分をひた隠しにし、
周囲の評価を気にしがちです。
私たちはさまざまな理由で、少しずつ、自分の希望、願望を、いつかどこかで忘れてきたのではないでしょうか。
ありのままの自分を出せず、悩み、苦しんできたのではないでしょうか。
そんな状態が続くと、自分が疲れていることにも気づけなくなります。無理を続けると、心身に不調が出てきて病気になります。
だからまず、自分の心身を解放すること。これが先決です。
そしてこの解放が、本来の自分を取り戻すことへとつながります。
頑張る人は結構な割合で
「頑張りすぎる人」化してしまうとあります。
たぶん、良い意味での「いいかげんさ」が不足しているのでしょう。
もっとやわらかい考え、やわらかい態度でいられれば、「こうすべき」とか「こうしなくちゃいけない」という頑なな態度にはなりません。すると自然に、それまでのように頑張りすぎることがなくなります。
こうすべきと考える人はまじめな人ですから、頭から否定はしませんが、しかしそれは自分にとどまらず、次第に他人にも同じように強いるようになります。
そこが厄介なのです。人は皆、違う価値観で生きています。
からだを壊してまでやるべきことなど、この世にはありません。
それを忘れたくないものです。
いつでもリラックスを目指すには
「今の連続が未来」
「今を楽しむことで未来が楽しくなる」
「今こそが自分が生きているすべて」
この言葉を自分に言い聞かせてください。
今に集中できているとき、心は今を楽しむことができます。その状態こそ、マインドフルネスな状態であり、リラックスしている状態なのです。
仕事や家事も同じこと。ルーティンでイライラしながらやるのはなく、楽しんでやれば自分だけの工夫ができます。
心を喜ばせる方法は、たくさんあるのです。
第1章の やわらかな心から、
第2章 すこやかなからだ
第3章 ほどよい暮らし
第4章 ありのままの感覚
第5章 自然の中の自分
第6章 「今」に意識を取り戻す まで
具体的で簡単な心がけとアドバイスが
それぞれ短くまとめられています。
心をゆるめ、日々の小さなことを大切にして、
たまにはぼーっとしたり、空を見上げたり、
季節の移ろいを感じる。
何でもない日常こそ、そして今この時を味わい、
慈しんで生きようと思わせてくれます。
「ほどほどにすこやか、ほどほどに忙しい」
これが、今を楽しめる条件です。少なくとも私はそう感じます。
そこには、どれくらいの年月を生きているとか、どれほどの長寿だったかとか、そんな時間的な尺度は存在しません。
長寿を目指してもしかたがありません。そもそも年齢は単なる結果です。
人間の価値は、生きた長さではなく「どう生きたか」にある——。
そしてどうなるかわからない未来ではなく、今を意識することです。
私たちはいつ死ぬかわかりません。元気一杯の人でも、翌日、急に亡くなったりします。だからこそ、命の長さではなく、今を楽しむ、命があることをありがたく感じる。今の自分のからだを大切にする。
人生の残り時間など気にせず、自由自在に生きませんか?
救急医療の最前線にいらして、数多くの生死の場に立ち合ってきた
医師ならではの言葉は重みがあります。
勤勉な国民性といわれてきた日本人ですが、
意識して自分を休ませるには練習が必要なようですね。
新書サイズのこの本からは気軽に
そんな、ちょっとしたコツをつかめるのでは
ないでしょうか。
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